離婚の原因となる「不貞行為」とは、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性交渉を行うこととされています。 しかし、性交渉自体は大っぴらにすることではありませんから、直接な証拠がないことが多いです。 そこで、昼間にラブホテルに男女が入っていった場合や男女で旅行に行って同室に泊まっていた場合は、不貞行為があったと言ってよいのではないかとというのが裁判上の事実認定の話です。 これに対して、一般的には通りにくい主張になるのでしょうが、ホテルに同室したからと言って、性交渉をしていないと反論されることもあります。 このような反論が出てくると、さらに解析度を上げて行って、なぜホテルで同室したのかとか、両者間の事前、事後のやり取りなどを検討していくことになります。 実は、このようなことは日常会話でも起きています。 会話の解析度、理解度を上げるには、具体的に聞いてみるのが重要と思います。 例えば、〇〇さんは正義感が強いよねとの話題が会話に上がった場合、大体、深堀せずに、生返事をしてしまうことが多いと思います。 正義感が強いという言葉自体は抽象的で、言っている方と聞いている当方とでは、そもそも何が「正義感」なのか一致していないことが多いのです。 そういった場合に、「どうしてそう思うのか」を具体的に聞いてみます。 すると、「〇〇さんが電車で席を譲っているのを見た」とか、「話題の不祥事に対して怒っているのを見た」とか、具体的なエピソードが出てきます。 このように具体的な事例を把握することによって、初めて相手の言動が意味している正義感の内容や、〇〇さんへの評価が明らかになってきます。 しっかり相手の言動の意味を把握することにより、こちらも意見を述べてみたり、きちんと賛成や反対を示すことができる素地ができます。 ところで民事では、当事者間で争いのない事実は証拠不要で認定できるという弁論主義における自白の原則があります。 ここでも、抽象的な文言については、どの範囲で自白が成立すべきかの議論があります。 会話でも裁判でも重要なことについては、解析度を上げる必要があるのかもしれません。 何か問題ごとが抽象的な内容や言動により、解決できなくて困っていることがあれば、一度お声がけください。 法的な視点はもちろんですが、弊所では物事の解析度を上げることを常に意識してお話を伺っております。 解析度が上がることによって、思わぬ解決策を導き出すことができる可能性があります。 抽象的な案件でモヤモヤしている事象があれば、気軽にお問い合わせください。 稲吉法律事務所は、人に寄り添えるサポートを心掛けています。 男性弁護士には相談しづらいことも、女性弁護士が在籍していますので、安心してご相談ください。
