交通事故のお怪我の慰謝料について、「日本は資本主義の国なので、同じ怪我をしても1万円でよいと双方がサインしたら1万円が相当となりますし、100万円でよいと双方がサインしたら100万円が相当な額となります。」と説明しています。 確かに、慰謝料については、入院・通院の期間と重傷か否かに応じた相場がありますが、最終的にどの額にするかは、交渉や示談では当事者の合意で決まり、裁判となれば裁判所が判断することになります。 ところで日本国内では、法律的な争いごとを判断する最終権限は裁判所、裁判官が持っています。 しかし、裁判の勝ち負けと、依頼者、相談者の納得は別物です。 裁判で勝っても納得できない方もいらっしゃいますし、その一方で裁判で負けても自分の言いたいこと、気になっている事について、きちんとした経過を経て、判断がされれば納得される方もいらっしゃいます。 それは、当たり前のことですが、人生における判断と、国や社会としての判断とでは、判断権者もその結論も異なるからです。 社会的な側面、経済的な側面については、国として裁判所が判断しますが、人生においての勝訴判決、敗訴判決がどういった意味を持つかは、その方自身が判断することになります。 そして、判断というのは創造的な側面があります。 野球において審判がストライクというと、厳密にストライクゾーンに入っていなくとも、ストライクになります。 ある一定の出来事等について、言葉にして判断するとき、事実の描写を超えたものが創造されるのです。 人生の判断権者は、その人生を歩む自分やその人自身です。 人が幸せだというとき、お金があるから幸せなんでしょうか、事業が上手く行っていたら幸せなんでしょうか。 所持金が100万円を超えたら幸せで、下回ったら不幸せなんてことはないと思います。 トラブルについての解決したか否かの判断も同じです。 弁護士として、どうしたら解決とできるか、明確にすべきことや依頼者の判断を後押しすることが大切であると考えています。 法律上の審判の結果だけではなく、依頼者自らが創造する人生をより豊かにするために、弁護士として依頼者が最適な判断をできるようなサポートをこれからも続けていきたいと思います。 法律に則って解決に導くことはもちろん弁護士の業務としては重要ですが、法律以上に大切なことは、法律の枠を超えた関わる人々の人生そのものだと思っています。 弁護士は、あくまでも法律の専門家ではありますが、その枠を超えた「人生のサポート役」として、稲吉法律事務所はこれからも活動していきます。 稲吉法律事務所は元裁判官である稲吉が代表で、2名の女性弁護士もいる弁護士事務所です。 女性弁護士を指名できますので、男性弁護士に相談しにくい問題などは、何事もお気軽にご相談ください。
