「事実」と「解釈」を分離すれば、もっと楽になる

過去に受講した研修の中で、仕事の上で一番辛かったことを思い出してみるというワークがありました。

私の場合は、裁判所から派遣された金融庁での勤務が慣れない組織での長時間勤務で所管する業法のすべてにADR制度を入れるというもので、いろんな軋轢もあり、一番辛かった記憶があります。

みんなが敵で大変だったと思い出しましたが、ここで、誰にどう言われたからそう思ったのか、改めて深掘りしてみました。
人は、ある出来事について、実際に起こったことや言われた事のみならず、これに対する自分の解釈をセットにして記憶しています。そこで正しく判断するために、実際に起こったことと自分の解釈を分離していく作業に取り組みました。

そうすると、自分の思い込みで当時のことをとても大層なことにしていることに気付きました。

そして、今起きている事や今周りにいる人にも同じことをしているという事に改めて気付きました。
初対面の人に会って、挨拶が返って来なかったり、不機嫌そうな顔をしていたりするのをみて、その人を気難しい人と決めてしまったり、本人も悪気なく言ってしまった一言を悪意の表れだとしてその人を遠ざけたりしています。

実際に起こったことと解釈の分離については、法律相談においても活用しています。

例えば、相手方が喧嘩を売ってきましたと説明を受けたときに、いつ、どのような言葉だったのかを具体的に聞いていくと、大いに解釈が入っていることや相手なりの意図が分かったりします。そうすると、こちら側でも違う受け止め方ができることが分かります。

このように解釈が大きくなると選択肢が少なくなります。
負のスパイラルのように、相手のちょっとした行動に良くない解釈を付け、その解釈を前提に他の行動にさらに良くない解釈を付けると、相手はとても邪悪で、とても頑固で一貫して悪意を向けてくる人に仕上がってしまいます。

確かに、全く常識が通じない方、ひどくなると犯罪をするような方もいますが、そういった方は稀です。
岡目八目で見ていると、相手も一定の理性や損得を有する交渉可能な普通の人です。

弁護士として大切なことは、起こったことと解釈を分離することです。
その中で、問題やトラブルの解決に有用な方法を見つけ出し、最適な解決策をご提案することが大切であると考えています。

もし「今、とても大変」という思いの方がいたら、弊所にお気軽にご相談ください。
弁護士の視点、そしてひとりの人間としての視点、この双方から客観的にお悩み事を見させていただきます。
その上で「事実」と「解釈」を分離し、最適な解決策のご提案をさせていただきます。

特に女性に関する問題などは、弊所には2名の女性弁護士が在籍していますので、女性ならではの解釈が俯瞰的にできます。
そのようなお悩みは、自分ひとりで解釈して抱え込まずに、女性弁護士にご相談ください。
女性の気持ちに寄り添って、解決まで伴走させていただきます。

稲吉法律事務所は元裁判官である稲吉が代表で、2名の女性弁護士もいる弁護士事務所です。
女性弁護士を指名できますので、男性弁護士に相談しにくい問題などは、何事もお気軽にご相談ください。
上部へスクロール