この記事は、リゾート会員権の相続について、元裁判官、今、弁護士の稲吉大輔が解説します。

稲吉 大輔 - 弁護士 –
・元裁判官
・現弁護士
・大阪弁護士会所属
元裁判官だからこそわかる、トラブルになる前の対策に強い弁護士。
親が残したリゾート会員権、毎年10万円以上の管理費が届いて困っていませんか?
- 使う予定もないのに、年会費や管理費の請求だけが続く
- 売りたくても買い手が見つからない
- 相続放棄すべきか迷っている
私は元裁判官として、リゾート会員権の管理費滞納で給与を差し押さえられるケースを数多く見てきました。
使う予定がないリゾート会員権は、相続放棄か早期売却が鉄則です。放置すれば、負債が雪だるま式に膨らみます。
この記事では、リゾート会員権の相続税評価額の計算方法から、確実に手放す方法まで、実務経験に基づいて解説します。
和敬法律事務所では、リゾート会員権の相続問題のお手伝いをいたします。
お困りの方はお問い合わせフォームからお問い合わせください。
目次
リゾート会員権の相続の基本
相続財産に含まれるが、管理費支払い義務も引き継ぐ
リゾート会員権は相続財産として相続人に承継されます。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
資産価値だけでなく、高額なランニングコストもセットで引き継ぐのです。
具体的には、年間管理費10〜30万円、修繕積立金、不動産所有権付きの場合は固定資産税も発生します。
エクシブなどの高級リゾートクラブでは、年間費用が50万円を超えるケースも珍しくありません。
使わない会員権を相続すると、毎年数十万円の負担が続きます。これは「負動産」と呼ばれ、相続人にとって大きな経済的負担となるのです。
「不動産所有権付き」と「利用権のみ」の違い
リゾート会員権には大きく分けて2つのタイプがあります。
不動産所有権付きは、エクシブや東急ハーヴェストクラブなど、リゾート施設の土地・建物の共有持分を所有する形態です。
登記簿に所有権が記載されるため、相続登記が必要になります。
利用権のみは、不動産所有権はなく、施設を利用する権利のみを持つ形態です。登記は不要ですが、運営会社への名義変更手続きが必要です。
どちらのタイプでも、相続すれば管理費の支払い義務が発生します。使う予定がなければ、早期に手放すことを検討すべきです。
いらないリゾート会員権を手放す3つの方法
こちらでは、いらないリゾート会員権を手放す3つの方法を解説します。
相続放棄で確実に手放す|期限は3ヶ月以内
最も確実にリゾート会員権を手放す方法は相続放棄です。
相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述すれば、リゾート会員権を含むすべての相続財産を放棄できます。
ただし、リゾート会員権だけを放棄することはできません。
相続放棄はすべての財産を放棄する手続きなので、預貯金や不動産などプラスの財産も同時に放棄することになります。
リゾート会員権の管理費負担が年間30万円、それが今後20年続くとすれば600万円の負債です。
他の相続財産と比較して、相続放棄すべきか慎重に判断する必要があります。
第三者への売却|相場は購入時の1/10以下も覚悟
リゾート会員権の仲介業者を通じて売却する方法もあります。
しかし、現実は厳しいです。需要が極端に少なく、購入時の1/10以下、場合によってはタダ同然でも売れないケースが大半です。
私が相談を受けたケースでは、2,000万円で購入したエクシブの会員権が、売却価格200万円でも買い手がつかず、最終的に50万円で手放したという事例もあります。
売却できたとしても、仲介手数料や名義変更手数料で数十万円かかります。
売却損が出ても、後述するように損益通算できないため、節税効果は期待できません。それでも、将来の管理費負担を考えれば、売却は有力な選択肢です。
運営会社との解約交渉|弁護士の介入が鍵
運営会社に直接解約を申し入れる方法もありますが、個人で交渉しても門前払いされることがほとんどです。
運営会社にとって、会員権の管理費収入は重要な収益源だからです。
しかし、弁護士が法的根拠を持って交渉すれば、解約に応じてもらえる可能性が高まります。
私の経験では、消費者契約法や錯誤無効などの法的主張を組み立てることで、運営会社との解約交渉がまとまったケースがあります。
特に、被相続人が高齢時に購入した会員権や、契約内容に不明確な点がある場合は、交渉の余地があります。
弁護士に依頼することで、対等な交渉が可能になります。
相続する場合の「評価額」と「税金」の計算方法
こちらでは、相続する場合の「評価額」と「税金」の計算方法を解説します。
不動産所有権付きの評価方法
不動産所有権付きリゾート会員権の相続税評価は、土地・建物の共有持分部分と会員権部分を分けて評価します。
土地・建物の共有持分部分は、固定資産税評価額に持分割合を乗じた額で評価します。
例えば、固定資産税評価額3,000万円の施設で、持分が1/100であれば、30万円と評価されます。
会員権部分は、取引相場がある場合は「取引相場の70%」で評価します。取引相場が500万円であれば、350万円です。
この例では、30万円+350万円=380万円が相続税評価額となります。
ただし、実際の売却価格は取引相場よりはるかに低いため、評価額通りに現金化できるわけではない点に注意が必要です。
利用権のみの評価方法
利用権のみのリゾート会員権は、取引相場がある場合は「取引相場の70%」で評価します。取引相場が300万円であれば、210万円が相続税評価額です。
取引相場がない場合は、「購入価額の70%」で評価します。ただし、購入時から時間が経過し、施設の老朽化が進んでいる場合は、実際の価値はさらに低下している可能性があります。
相続税申告では、評価方法を誤ると税務調査で指摘される可能性があるため、税理士に相談して正確な評価額を算定することが重要です。
売却損は「損益通算」できないケースが大半
ここで重要な税務上の落とし穴をお伝えします。リゾート会員権を売却して損失が出ても、給与所得などとの損益通算は原則できません。
リゾート会員権は「生活に通常必要でない資産」とみなされるため、売却損が出ても他の所得と相殺できないのです。「売れば節税になる」という考えは間違いです。
不動産所有権付きの場合は譲渡所得として総合課税の対象となります。
しかし、利用権のみの場合は雑所得または事業所得として扱われることが多く、いずれにしても損益通算は認められません。
この点を理解せずに売却すると、期待した節税効果が得られず、後悔することになります。税理士に相談して、税務上の影響を事前に確認することが重要です。
リゾート会員権の相続手続き方法
こちらでは、リゾート会員権の相続手続き方法を解説します。
名義変更の必要書類と費用
リゾート会員権を相続する場合、運営会社への名義変更手続きが必要です。
必要書類は、被相続人の死亡診断書または除籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書などです。
名義変更には、事務手数料や名義書換料がかかります。
運営会社によって異なりますが、数万円から数十万円かかるケースもあります。
エクシブなどの高級リゾートクラブでは、名義書換料だけで30〜50万円請求されることもあります。
不動産所有権付きの場合は、法務局での信託登記も必要です。登録免許税として固定資産税評価額の0.4%がかかり、司法書士への報酬も5〜15万円程度発生します。
遺産分割協議での「押し付け合い」を避けるために
リゾート会員権は、誰も欲しがらないため、遺産分割協議で「押し付け合い」が起こることがあります。
使う予定がなく、管理費負担だけが重いため、相続人全員が相続を拒否したがるのです。
このような場合、代償金を活用する方法があります。
リゾート会員権を相続する人が、他の相続人に代償金を支払うことで、公平な分割を実現します。
また、他の相続財産との調整も有効です。
例えば、長男がリゾート会員権を相続する代わりに、次男が預貯金を多めに相続するという形で、バランスを取ることができます。
弁護士が介入して公平な分割案を提示することで、遺産分割協議をスムーズに進めることができます。
リゾート会員権の放置は管理費滞納のリスクがある
こちらでは、リゾート会員権の放置は管理費滞納のリスクを解説します。
運営会社からの訴訟・給与差押えリスク
「使っていないから管理費を払わない」という考えは危険です。リゾート会員権を相続した以上、管理費の支払い義務は法的に発生しています。
管理費を滞納すると、運営会社から督促状が届き、それでも支払わないと訴訟を起こされます。
裁判所から支払督促が届き、無視すれば判決が確定します。
判決が確定すると、運営会社は相続人の財産や給与を差し押さえることができます。
私が裁判官時代に見たケースでは、リゾート会員権の管理費滞納で給与を差し押さえられ、生活が困窮した方もいました。
滞納金に加えて遅延損害金も発生するため、放置すればするほど負債が膨らみます。早期に対処することが重要です。
数百万円の滞納金請求が来た事例
私が相談を受けた事例では、親が亡くなった後、リゾート会員権の存在を知らずに5年間放置していたケースがありました。
その間、年間管理費30万円と遅延損害金が積み重なり、運営会社から300万円以上の請求が来たのです。
相続人は「使っていないから払う義務はない」と主張しましたが、法的には相続した時点で支払い義務が発生しています。
結局、弁護士が介入して運営会社と交渉し、一部減額して解決しましたが、最終的に150万円以上の支払いが必要になりました。
このように、放置すれば数百万円の負債を抱えることになります。早期に売却または解約交渉を行うことで、傷口を最小限に抑えることができます。
リゾート会員権の相続は「和敬法律事務所」へ相談を
和敬法律事務所では、リゾート会員権の相続問題に豊富な経験があります。
特に、運営会社との解約交渉では、法的根拠を示した交渉により、個人では難しい「手切れ」を実現できる可能性があります。
私は元裁判官として、契約法や消費者保護法に精通しています。運営会社との対等な交渉が可能であり、解約や返還に応じてもらえるケースも少なくありません。
管理費の滞納がある場合でも、弁護士が介入することで減額交渉ができる可能性があります。訴訟リスクを回避し、早期解決につなげることができます。
和敬法律事務所では、税理士と連携してワンストップで対応できます。正確な相続税評価を行い、税務調査のリスクを回避します。
和敬法律事務所では、元裁判官弁護士がリゾート会員権の相続問題に対応しています。
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