何気ない一言

先日、とある講話で、「講話者の方が貧しさから中学生で新聞配達をしていた」という話を聞きました。
その後、学校に新聞配達をしていたことがが発覚してしまった時に、担任の先生が「新聞配達が悪いことではない」と言って庇ってくれてから、その先生のことが好きになり、その後の進路の指導も素直に聞き入れて、その後の人生が変わったということでした。

この話を聞いて、何気ない一言や振る舞いが人に大きな影響を与えることに気づきました。

さて、とある交流会で話をすることになり、自己紹介の文章を作っていました。
キラキラした文例を示されましたが、前半部分は以下のとおりです。

宮崎県都城市近郊の旧高城町出身の両親の下に生まれました。
経済的な困窮と人間関係の悩みからか暴力を振るう父と口の悪い母の激しい夫婦喧嘩を見ながら育ち、母からは「弱いものの味方になってほしい」、「天下を取る男だ」と言われて、私は育ちました。

豊中市立庄内南小学校に入学し、その後、福岡に転居し、福岡市立別府小学校、旧前原市立前原東中学校と進学しました。
決して、優等生ではなかったのですが、母が最寄りの駅で地元の進学校の修猷館高校の特徴的な制服を着ている見知らぬ女子高校生に声をかけて聞き出した興隆塾に入り、瀧野塾長から「稲吉君は努力の人だ」との叱咤激励を受けて、修猷館高校に進学しました。
高校進学後は勉強のできる人に埋もれて、一時は不登校になるも復活しました。しかし阪大、一橋大などを受験するも失敗し、一浪後、後期試験のよく分からない英語と小論文で九大法学部に合格しました。

大学の先輩弁護士が言っていた「九大で3年生で司法試験に受かる人はいない」という言葉に発奮して、3年生から勉強して、当時の若手合格者優遇の試験制度のお陰で、択一試験、論文試験に3年生で合格しましたが、勉強不足で合格率9割の東京での口頭試験で落ちました。

私も、母からの言葉、中学生の頃の学習塾の塾長の言葉、大学の先輩弁護士の言葉に影響を受けて、今があると改めて思います。

良くも悪くも、何気ない一言が人を傷つけたり、勇気づけたりします。
ここぞというときに良いこと言ってやろうとするのではなく、日常からの心がけが大切だと改めて感じています。

もしかしたら、私も含めて、これを読んでくれているあなたに関しても、何気ない一言で良くも悪くも他人の人生を変えてしまっているかもしれません。
できることなら良い形で人の人生に影響を及ぼす人間になっていきたいと思います。そのためには、日々何を意識して過ごすのか、意識したことを表現ことができるのか、その表現を習慣にすることができるのか。このようにほんの小さな意識から人は変わっていくのだと思います。

法律相談を受け、多くの裁判なども経験して、改めて思いますが、人はほんの小さな意識をできるかどうかで人生が大きく変わります。だからこそ、どんな人にもチャンスがあります。現在地なんて関係ありません。人はどこからでも、良くなることができます。

相談者の方はもちろんですが、相談者の先にいる相手方に関しても、ほんの少し意識でトラブルの解決ができたり、和解できることも多々あります。そういった小さな可能性も含めて、弊所では、相談者にとって最適解を導き出すために日々活動しております。

ほんの少しの意識から、共に人生を変えていきましょう。

稲吉法律事務所は、人に寄り添えるサポートを心掛けています。
男性弁護士には相談しづらいことも、女性弁護士が在籍していますので、安心してご相談ください。

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